誠実な生活

実家の隣に葬儀屋がある

近況, または10年前の奇妙な出来事の答え合わせ

お久しぶりです. 京都に住む理系大学生です. 

先日, 天下一品に行って人生で初めてのこってりラーメンを食べました. とても美味しかったです. 

 

前回の記事を投稿してから, 実に一年と四ヶ月以上もの期間を空けてしまいました. 私自身も, ブログの存在をほとんど忘れていたのですが, 昨年末にサークルの集まりで「『ママチャリ帰省』で検索すると, 君の記事がいちばん上に表示される」と言われて, 久々にログインしました. 

アクセス解析を確認すると, 未だに週に数回とはいえアクセスがあるので驚いたものです. ちなみにアクセス元サイトの70%はTwitterでした. 

 

ブログは完全に沈黙を貫いていましたが, この一年四ヶ月の間に何もなかったわけではなく, 単に記事を書くモチベーションがありませんでした. 今回, 久しぶりの更新ということで, 近況報告から始めたいと思います. 

東尋坊, 再訪

前回の記事

 

vorfeld.hatenablog.com

のリベンジとして, 再度東尋坊に訪れました. これは2021年の3月末なので, もうすぐ一年になります. 

前回の反省を生かして, 公共交通機関を利用することにしました. えちぜん鉄道の一日フリーきっぷを買い, 

福井県立恐竜博物館

あわら温泉

東尋坊

の, 福井県嶺北の観光地よくばりセットな小旅行を満喫しました. 

 

最初のママチャリ帰省の記事も前回の記事も, ともに自転車が物語の核となっています. 

今となってはママチャリ帰省に再挑戦するほどの気概は残っていませんが, 自転車でどこまでも行けると考えていたかつての万能感は, 今も私の糧となっていることは間違いありません. 

 

当時を思い返すと, 自分でも無茶なことをしたと思います. 

 

ちなみに, ママチャリ帰省に用いた自転車は, その後両輪のチューブ, 両ブレーキの交換, そのほか細かい修理を経て, 今も現役で使用しています. 

 

ニジガクにハマる, そして二次創作を書く ニジだけに

前回の記事が投稿されたのが2020年の9月1日ですが, その直後にアニメ一期の放送が始まった「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」, 通称ニジガクにハマりました. 

 

そして去年の夏休み, pixivのアカウントを作って二次創作を投稿し始めました. 

大学のレポートで「, .」を使っている癖が抜けず, 二次創作でも「, .」を使っています. 横書きでは見栄えも悪くないのですが, 縦書き表示にすると位置がおかしくなるのが難点です. 

 

宮下愛という女がいます. 初めて彼女を見たとき, いかした女だなと思いました. 恐ろしい女でした. 

 

宮下愛は情報処理学科という学科に所属しているのですが, 今は彼女が好きなプログラミング言語は何か, という問題に取り組んでいます. 私情を挟むなら, 古き良きC言語を使っていたらいいなと思います. 

 

思えば私は, 金髪で明るい性格(金髪キャラはだいたい明るい性格だろうと思いますが, 反例がどこかにあるやもしれません)のキャラを好きになる傾向があるような気がします. 

パッと思いつくキャラクターとしては, 

・八宮めぐる(アイドルマスター シャイニーカラーズ

・九条カレン(きんいろモザイク

あたりでしょうか. また思いついたら, 記事公開後も箇条書きが追記されるかもしれません. 

 

あるとき, 友人とこのことで議論になりました. 

「君はキャラクターの外見に気を取られて, その内面に誠実に向き合っていないように見える」

「キャラクターの内面を語るうえで, 外見上の属性を無視することこそ不誠実ではないか」

「君の言い分では, もし君を狂わせた原因たる宮下愛が黒髪に染めたとして, 君は宮下愛に興味を失うことになるか」

私は言葉に詰まりました. 

 

結局, この友人とは道を違えました. 彼はよくできた人間で, 私は今でも彼を尊敬しています. しかし, キャラクターへの誠実さという一点において私は彼を, そして自分自身を許すことができませんでした. 

 

私はソシャゲというものが苦手です. これまで, 数々のソシャゲをインストールしては, チュートリアルで挫折してアンインストールするということを繰り返してきました. 

 

何度か言語化を試みましたが, 今日まで成功に至りませんでした. 

 

最近のソシャゲはアニメやコミカライズ, ノベライズ, 舞台化など, ソシャゲの外に飛び出して展開されているものが多いです. この流れは私にはありがたく, ソシャゲをやっていなくてもコンテンツを楽しむことができるようになりました. 

 

私はコンテンツを, 自分の手元に置いておきたいのかもしれません. その意味で, 電子書籍も苦手です. 

 

最後に宮下愛あるあるをひとつ. 

 

宮下愛あるある:二次創作の方がダジャレがうまい

 

私と大塩平八郎の関係

Twitter上で2020年1月31日から翌21年の1月31日まで, 一年間にわたって投稿されたツイート群がありました. 

もうすぐ最後のツイートがなされてから一年が経ちますが, 私は未だにこの一連のツイートたちの意味するところを理解できていません. 

幼少期の体験が元になっており, 登場人物にはモデルがいますが, おおむねが創作です. 

 

10年前の奇妙な出来事

小学五年生の終わりごろのことでした. 

当時の私は本の虫で, お昼休みは教室で本を読んで過ごしていました. その日のお昼休みも, 例によって教室で本を読んでいると, 突然教卓の前が騒がしくなり始めました. 

そこでは, ある女子生徒と男子生徒が, 言い争いをしていたのです. 

今思い返すと, その男子生徒は言い争いをしていた女子生徒のことが好きだったような気がしますが, この話にはあまり関係がありません. 

言い争いは, 女子生徒の方が優勢でした. やがて男子生徒は自分の負けが決定的になったことを悟ったのか, 最後に負け惜しみの一言を放ちました. 

「この乳なし女が」

小学生女子なんて, 数少ない例外を除けば基本的に乳なしだろうけれど, それはさておき, この負け惜しみの一言で, お昼休みのいさかいは終わるだろうと思いました. 

私は女子生徒の方を見ると, そこに予想外のものを見ました. 

女子生徒は, 唇を噛みしめて泣いていたのです. 

口を真一文字に結んだ彼女は, 声を漏らすことなくぼろぼろと涙をこぼし続けました. 

その女子生徒は男勝りの勝気な性格で, 私を含めてその場にいた全員が, 彼女の泣き顔を初めて目の当たりにしました. 

彼女を泣かせた張本人である男子生徒も, 予想外の事態に焦り始めました. 

休み時間が終わり, 担任が教室に入ってきても, 女子生徒は肩を震わせて泣いていました. 担任は周囲の生徒から事情を聞くと, ひどく険しい表情を浮かべました. 

泣かせた男子生徒を咎めることなく, 担任はその女子生徒を連れて教室を出てゆきました. 

その後のことは, 部外者である私の知るところではありません. しかし, 少なくともその日, 彼女は教室に戻りませんでした. 

 

それから, 10年が過ぎました. 今年の元日, 私は父に連れられて人生で初めてスナックという場所に来ました. 

父はスナックのママから, 「先生」と呼ばれていました. 

私は普段, お酒をほとんど飲みません. ですが, その日は緑茶ハイをジョッキで5杯ほど飲みました. あの場の空気に当てられたのかもしれません. 

そのとき, 私はふと10年前の奇妙な出来事を思い出しました. なぜあのとき思い出したのかは, 今でも分かりません. 

父は私が小学生のとき, PTA会長を務めていたこともありました. 私は柄にもなく, 父に語り始めました. 

昔話を終えたとき, 父は険しい表情を浮かべていました. そう, 10年前のあの日, 担任が浮かべていたものと同じような……

父はジョッキに残っているお酒をひとくち含んでから, 口を開きました. 

「あの子は, 生まれてすぐに母親を亡くしてね. ずっと父親に育てられてきたんだ」

私は父の赤くなった顔を見ました. 父は続けました. 

「でも, 小学生のときに父親も病気で亡くしてね. ぼくも葬儀に行ったが, 彼女はそれからずいぶんと苦労したそうだよ」

ぼんやりとした意識の中で, 私はあのとき男子生徒が放った言葉を思い出しました. 

「乳なし……ちちなし……父なし……」

私は理解しました. 

「……あの子が父親を亡くしたのは, いつか」

私は父に尋ねました

「確か, おまえが小学五年の年末のことだよ. 雪の中通夜に行ったから, よく覚えている」

「じゃあ, 本当に父親を亡くしてすぐのことだったのだね」

父は頷きました. 

私は, 自分がすっかり酔いがさめていることに気が付き, 父に店を出ようと言いました. 

日付は変わって, 1月2日の深夜二時すぎ, タクシーもつかまりません. 私と父は歩くことにしました. 

父は私の前を歩きました. 雪がちらついていたので, 父はコートのフードを被りました. その背中だけが私の目に映りました. 

「父さん, 長生きしてくれよ」

返事はなく, 父は私に背を向けるばかりでした. 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おわりに

全て創作です.