日記(3/7)
春休みの間に一度は帰省をしようと思っているのですが, 行動に移さないまま, 春休みも残り半分を切ってしまいました.
ふと, 正月に帰省したときに家族と交わした会話を思い出しました.
私の家族は, 全員大学を卒業していますが, 誰も私と同じように物理学を専攻してはいませんでした. そのため, 私が大学で学んでいる内容について, 家族はほとんど何も知りません.
私が京都に帰る前日の夜, ふと父が私に尋ねました.
「宇宙の始まりは, 今でもビッグバンということになっているのか」
父は大学で物理学を専攻してはいませんでしたが, 無類のSF好きでした. よくTSUTAYAでヌターウォーズの映画を借りてきては深夜にひとり鑑賞していたのを, よく覚えています.
私が大学で宇宙物理学を学んでいるから, それでこんな質問をしたのでしょう.
また, その前日には, 今度は兄が, 次のように尋ねてきました.
「この宇宙は最期, どうなるんだ」
難しい質問です. 私は教養で受けた, 宇宙物理のリレー講義で聞いた内容を, そのまま話しました.
私の説明をひととおり聞き終えて, 兄は
「宇宙物理なんて勉強していたら, 世の中の問題などちっぽけに見えるのだろうね」
と言いました. 果たしてそうでしょうか?
現に, 私たちは普段, 本当にどうでもよいことで悩み続けています. 将来への不安も, 消えることはありません.
また, これは大学という場所がいかに実社会から離れているか, という問題と地続きであるように感じました.
この手の思想は, 大学という場所を高尚なものとして実社会から切り離してしまうことにはならないでしょうか?
私の家族は, 私が大学で学問に没頭することに対して寛容ではありますが, そこに正しい理解があるかと問われると, 難しいものです.