日記(2/6)
数日前から書き進めていたssをpixivに投稿しました. あと一本ほど書いて投稿したら, いったん公募用の小説の方を書き進めようかなと思います.
ここ数日はアウトプットばかりで, あまりインプットに時間を取ることができていなかったので, 本棚の整理を兼ねて何冊か本を読みました.
私は週におよそ一万円分を書籍代に充てていますが, 基本的に買うのは紙の書籍です.
対して, 友人は電子書籍で本を買うことが多いようです.
あるとき, 友人に尋ねました.
「読書という行為に電力を必要とするのは, なんだか奇妙なことだね?」
「奇妙?」
「奇妙じゃないか. 電力が途絶えた瞬間, 電子書籍は書籍としての価値を失うことになるんだよ」
「電力くらい, いつでも供給できるじゃないか」
「私が心配しているのは, 元々は紙をめくって, そこに書かれている文字を読むだけでよかった読書という行為が, いたずらに高度な営みになってしまうことなんだよ」
「電子書籍が高度な営みとでも言うのかい」
「高度というより……説明が難しいな. つまり私は……読書へのaccessibilityを問題にしているんだ」
「電子書籍の方が, 絶版本なんかを手に入れるにはよっぽどaccessibilityがいいと思うが」
「そうじゃないんだよ. そうじゃなくて, 私が言いたいのは, 仮に紙の書籍が消えて, 地球上の全ての書籍が電子書籍として提供されるようになったとき, 私たちは読書という行為のために, 今までは必要としなかった電子デバイスが必要になるだろう. そうやって, 読書に必要なものが増えることがいやなんだ」
「しかし現代において, スマホを持たない生活なんて考えられないよ.」
「……君が初めてスマホを持ったのは, いつのことだい」
「高校入学と同時だったよ」
「私も同じだ」
「君の言いたいことは分かるよ. 読書が万人に開かれた営みであるためには, 電力を必要とする電子書籍はその意義に反するのだろう. しかし現状を見れば分かるが, むしろ紙の書籍が自分の部屋に一冊もないような人間が, 小さなスマホの中に巨大な本棚を持っている. これはどういうことだろうね?」
「分からないよ」
「電子書籍のデメリットなんて, 挙げればきりがないよ. でも, 多くの人にとっては, 手元の電子デバイスで手軽に読書ができことのほうが, よほど大事なんじゃないか」
「君は, 紙の書籍に固執する私を前時代的だと思うか」
「思わないよ」
私は本を読むことも, そして文章を書くことも好きです. 人生のどこかで, 本の出版に関わってみたいという気持もあります.
そうなると, 電子書籍の問題から私は逃げることができないでしょう.
今なお, 私はこの問について答えを出せる状況にはありません.