誠実な生活

実家の隣に葬儀屋がある

日記(2/24)

およそ八畳の部屋の中で失せ物が出たところで, 高々有限の範囲をくまなく探せばよいだけなので, あまり苦労した覚えがありません. ところが, こと昨日の夜に関しては, 半年前に通院していた病院の診察券を求めて, 私は部屋をひっくり返して夜を明かしました. 

 

失せ物の捜索は, いつの間にか部屋の大掃除と断捨離に移行し, 私はこの三年間の思い出の品を掘り起こしては, ゴミ袋に突っ込むということを繰り返しました. 

 

大学入試の受験票, 受験前日に宿泊したホテルの明細, 入学して間もない頃に調達し, 今では古びた下着類, 紙粘土で作ったドラえもんの人形……

 

やがて, 30Lのゴミ袋が満杯になったところで, 大方の整理は終わりました. 

 

過去の思い出の品を, しかも客観的には全くくだらない品を, 後生大事に保管しておくというのは, それはそれで過去に対する誠実な態度のひとつでしょう. しかし私は, この三年間にため込んだがらくたのうち, かさばることのないごく少数を除いて, 手放すことを決めました. 

 

もしも私が無尽蔵の収納を持っていて, かつそこに収納する品々を, 常に整理された状態で維持できたとしたら, 私は断捨離などしなかったのでしょうか?

 

考えても, 分からないことばかりです.