誠実な生活

実家の隣に葬儀屋がある

日記(2/18)

私の習慣に, 毎週日曜日に一万円分の本を買う, というものがあります. これは, 毎週日曜日にpaypayモールがソフトバンクユーザー向けに購入金額の10%還元サービスを提供しているためです. その上限が支払額一万円までなので, 毎週日曜に一万円分の本を買う, というわけです. 

 

よく利用するのは, paypayモールの数ある店舗の中でも, O垣書店という京都市に本社を置く書店のオンラインストアです. 私の近所にも, 徒歩五分ほどの距離にO垣書店の実店舗があります. 

 

私は週に一度, このO垣書店の実店舗に足を運んでは新刊をチェックし, 手に取って見, 表紙の手触りを確かめてから, 買わずにメモだけして帰ります. 

 

それを, 日曜日にO垣書店のオンラインストアで注文する, という流れです. すると, 前述の10%還元に加えて, paypayの各種還元サービスと合わせると, およそ20%程度の還元を得ることになります. 

 

paypayの普及に伴って, 私は日々の買い物のほとんどすべてを, paypayによる決済で済ませられるようになりました. 昼食をなか卯で食べるときも, スーパーでペットボトルの水を買うときも, 夕食をマクドナルドで食べるときも……全てpaypayで完結できます. 

 

日曜に注文すると, たいていの場合は翌々日の火曜日か, もしくはたまに月曜日に届きます. かつては一定金額以上の購入で送料が無料になったので, 注文してすぐに読めないという一点を除けば, 実店舗で購入するよりも遥かに割安です. 

 

しかし, 考えてみればこれは奇妙なことです. 実店舗に足を運んで本を購入しても, 還元率は0%です. さらには, 購入した本は, 自らの手で自宅まで運ばなければなりません. 

 

しかるに, オンラインストアで注文すれば, 20%もの還元が付与され, しかも宅配によって自宅まで商品を届けてくれます. 

 

明らかにオンラインストアでの注文の方が(ストア側にとって)経費が掛かっているはずなのに, 消費者である私はむしろ実店舗で購入するよりも得をしているという, 摩訶不思議な逆転が起こっているのです. 

 

いったい, ここまでの話のどこに, 奇妙な逆転のからくりが潜んでいるのでしょうか?

 

少し考えてみれば, 実店舗での買い物とオンラインストアでのそれの間に介在している, paypayというわけの分からない決済サービスの存在を, 上の議論では完全に無視していることが分かります. 

 

以前, レシートを一枚数円で買い取りするサービスが登場して話題になったことは, 記憶に新しいです. 

 

paypayが, 私の買い物記録と消費動向の情報を引き換えに還元を付与しているというのは, 少しばかり気分の悪いものがありますが, 今はもうそういう時代ではないのでしょう. 

 

paypayがもっと普及すれば, paypayを支払いに利用できる店舗, サービスも増えるでしょう. しかし, 普及が進んで決済サービスがpaypayの独り勝ちになってしまえば, paypayがそれまでの各種還元サービスを打ち切るであろうことは, 火を見るよりも明らかです. 

 

その意味で私は, paypayは永遠にスマホ決済市場を独占することなく, いつまでも競合他社と拮抗しつつ勢力争いを続けてほしいものですが, 既にpaypayは覇権に手を伸ばしつつあり, 世の中はそううまくはいかないようです.